キャットフードには、成分表示を記載することが義務付けられています。
商品によって「成分分析値」「保証分析値」「成分値」など名称は異なりますが、全てのキャットフードには成分が必ず表示されています。
キャットフードを選ぶ際には、原材料だけでなく成分値をチェックすることはとても重要です。
この記事では、成分表示の見方と目安について紹介したいと思います。
成分表示の基礎知識
成分表示には、「タンパク質」「脂質」「繊維質」「灰分」「水分」の成分表示が必ず記載されています。
上記の項目については、「ペットフード公正競争規約」によって記載が義務付けられています。
商品によっては、オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸・カルシウム・マグネシウム・亜鉛など、その他の成分についても記載されていることがあります。
表示の仕方については、タンパク質・脂質は◯%以上、繊維質・灰分・水分は◯%以下と記載されています。
多く含まれている方が好ましいものは◯%以上、多すぎると好ましくないものは◯%以下となっています。
この数値は保証値であり、これだけは含まれている・これ以上は含まれていないということを保証しています。
また、粗タンパク質などのように成分の頭に粗という文字が記載されていることがあります。
これは純粋にその成分だけでなく、他の成分も混ざっているという意味です。
純粋にその成分だけを測定するのは難しいためそのような記載となっています。
タンパク質
タンパク質は、筋肉・皮膚・血液・内臓などに必要な栄養素です。
体を作る上でとても重要な栄養で、猫は人間よりもとても多くのタンパク質を必要とします。
タンパク質が不足すると、皮膚が荒れる、毛が細くなる、抜け毛が多くなるなどの悪影響があります。
AAFCO(米国飼料検査官協会)によるタンパク質の最低要求量は、成猫26%以上・子猫30%以上となっています。
これはあくまでも最低要求量なので、猫の健康を考えると30%以上含まれているものがおすすめです。
脂質
脂肪はエネルギー源となる大切な栄養素で、体温の維持やビタミン類の消化・吸収を高めるなどの効果があります。
AAFCO(米国飼料検査官協会)による脂質の最低要求量は、成猫・子猫9%以上となっています。
脂肪が不足すると、免疫力の低下や皮膚炎の原因となります。
20%前後含まれているものがおすすめです。
太り気味の猫の場合は、脂質が控えめなキャットフードを選ぶことをおすすめします。
繊維質
繊維質には、水溶性と不溶性のものがあります。
水溶性食物繊維は測定することができないので、成分表示されているものは不溶性食物繊維ということになります。
適量であれば肥満や便秘に効果がありますが、摂りすぎると便秘が悪化してしまいます。
逆に不足すると、軟便になってしまう恐れがあります。
3〜5%前後含まれているものが標準的でおすすめです。
灰分
灰分とはミネラルのことを意味し、体の調子を整えるのに効果があります。
ミネラルには、カルシウム・カリウム・ナトリウム・リン・マグネシウムなど様々な己があります。
体の機能の維持に効果がありますが、過剰に摂りすぎると尿路結石などのリスクが高くなってしまいます。
おすすめとしては、7%前後含まれているものが良いでしょう。
水分
成分分析値には、水分も表示されています。
ドライフードの場合、8〜10%程度の水分量となっています。
またセミモイストタイプは25〜40%程度、ウェットタイプは75%以上の水分量です。
AAFCOの最低要求量とは
キャットフードのパッケージに、「AAFCOの基準をクリア」といった表記があるのを見たことがある方もいると思います。
AAFCOとは、Association of American Feed Control Officialの略で日本語では米国飼料検査官協会などと訳されます。
AAFCOでは、キャットフードの成分について最低要求量を設定しています。
最低要求量が設定されている成分は、タンパク質と脂質となっています。
タンパク質の最低要求量は成猫26%以上・子猫30%以上、脂質の最低要求量は成猫・子猫9%以上です。
水分量の多いキャットフードの成分
AAFCOの最低要求量は、水分量を含まない乾燥重量比となっています。
しかし、キャットフードに記載されている成分表示は水分量を含んだ数値となっています。
そのため、ウェットタイプやセミモイストタイプなど水分量の多いフードの成分表示については乾燥重量比に直してから比較する必要があります。
乾燥重量比の計算式は、「数値÷(100-水分量)」となります。
ウェットタイプ等をAAFCOの最低要求量と比較する時は、乾燥重量比に直してから比較すると良いでしょう。
まとめ
キャットフード選びにおいて、成分表示までチェックしている人は少ないかもしれません。
しかし、キャットフードを選ぶ際に成分表示をチェックすることはとても重要です。
それぞれの成分の役割や目安を理解することで、愛猫にあったキャットフードを選ぶことができます。
ぜひ参考にしてみてください。